会長挨拶
はじめまして、この度の総会で会長に選任されました、本橋朝子です。
社会福祉士制度発足後から、社会福祉士が国民や県民の福祉の向上にどう貢献できるかを、追求されてこられた青木会長の後任などとても務まるはずもないと、不安いっぱいの就任ですが、青木相談役にいただいた「その立場に立つと見えてくる景色があり、それが力になっていく」との言葉に、未完成社会福祉士だからこそ挑戦できると震える足に力を入れているところです。
私は、1969年に福祉系大学に入学し、高校時代に知ることができた朝日訴訟や生活保護というものを学びたいと思っていました。幸い、公的扶助を教えてくださる恩師や先輩と出会い、東京都や埼玉県の現業員の方々の研究会に参加させてもらっていました。しかし、いざ現場に出てみると、生活保護法や実施要領を目前の対象者にどのように活用できるかわからず、仕事を続けることができなくなりそうでした。そんな時に誘われた研究会で、自分の業務を進める視点や具体的手立てが見えるようになり、仕事に向き合うことができるようになった時期がありました。
社会福祉士で何ができるのかと思う一方、そのうち資格がないと現場にいられなくなるのではないかと短期養成校を修了し、1995年に社会福祉士登録を行いました。職能団体に入るのは当たり前と思っていましたので、登録後、さっそく社会福祉士会に加入しました。
介護保険施行直前に特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人に出向したものの、高齢者分野の支援にどう向き合うべきか悩み、高齢者分野の事例検討会を開催するとの広報をみて、社会福祉士会の研修に参加しました。残念ながら担当の方の都合で中断してしまいました。が、これから必要になることの道筋が見えてきたように感じました。
成年後見人、県からの受託事業従事と定年後はこれまでにない福祉現場に向き合うことができました。さらに委員会参加や研修会参加と社会福祉士会会員としての活動が身近になってきました。私にとって、社会福祉士としての成長は社会福祉士会で鍛えられたものと思っています。
ソーシャルワーク知識と技術を駆使した支援が、幅広い分野で求められている状況が急速に広がっていると痛感しています。目前の支援を必要とする方に向き合うには、もっと実践力が高められなければと思うとともに、もっともっと新たな資源が求められていると思います。同じ価値と倫理綱領を持つ会員で切磋琢磨し、資質向上をめざし県民福祉の向上に寄与できるよう、会員のみなさんとともに取り組みたいと切望します。どうぞ、多くの会員の皆さんの力を寄せてくださるよう、重ねてお願いします。
公益社団法人埼玉県社会福祉士会 移行趣意書
社会福祉士は「社会福祉士および介護福祉士法」(1987年5月制定)に基づく国家資格の社会福祉専門職であり、社会福祉はもとより、医療、保険、就労支援、司法等の幅広い分野で、「利用者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、その他関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」とされています。
また、社会福祉士の全国組織である「日本社会福祉士会」は国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)に加盟しており、社団法人埼玉県社会福祉士会((以下「本会」という)会員も、日本社会福祉士会の一員として、国際ソーシャルワーカー連盟に加入しています。
埼玉県に在住、在勤する社会福祉士は、国際ソーシャルワーカー連盟の倫理綱領及び日本社会福祉士会の倫理綱領を遵守し、「社会福祉士および介護福祉士法」に則り、埼玉県を主な活動拠点として、国家資格を有するソーシャルワーカーとしての使命を果たすため、1993年に職能団体埼玉県社会福祉士会を結成し、2008年1月に社団法人埼玉県社会福祉士会として認可を受けております。
本会は、県民福祉の増進と社会福祉士制度の普及を図るため、一般県民に対する情報の提供、社会福祉関係者の資質の向上のための研修の実施、援助を必要とする人々への支援活動、当面する社会福祉諸課題に関する調査研究活動及び会員の資質向上のための生涯研修の支援等の公益活動を行っております。
・現在まで本会は、設立の目的を実現するため、成年後見センター「ぱあとなあ埼玉」の運営により、県民にむけて、成年後見に関する相談・支援、後見受任、福祉関係者に対する後見制度活用講座の開催を行なっています。
・また、生活保護家庭に対する自立支援相談員の派遣、ホームレス支援活動、求職者緊急サポートセンターの運営、専門里親更新研修等の埼玉県からの受託業務の遂行を通し、さらには、埼玉県弁護士会、埼玉県医療社会事業協会等の専門職団体と連携した高齢者虐待対応チーム活動、医療福祉相談会等を実施して、県民福祉の増進に寄与しております。
・さらに、社会福祉士実習指導者養成研修、社会福祉士基礎研修、社会福祉士共通研修、地域包括支援センター配属社会福祉士の研修、社会福祉関係新任職員研修、社会福祉関係中堅職員研修、社会福祉問題公開講座等を実施して社会福祉関係者の資質向上に努めています。
・加えて、各種研修会への講師派遣、グループホーム外部評価及び福祉サービス第三者評価等への評価者の派遣のほか、埼玉県、埼玉県社会福祉協議会、各市町村及び各市町村社会福祉協議会等からの要請に応え、埼玉県運営適正化委員会、埼玉県児童福祉審議会、埼玉県契約締結審議会、地域包括支援センター運営協議会、介護認定審査会等々に会員を派遣してきております。
本会が、このような県民福祉向上のための支援組織として、さらに責任ある公益的活動を展開していくためには、法人格を有する責任団体となることが不可欠であると考え、社団法人の認可を得ましたが、本会の県民福祉の増進と社会福祉関係者の資質向上を目指す活動内容は、この度の公益法人制度改革の方向にも合致していると確信し、自らの活動基盤をより確かなものとするため、ここに新公益法人への移行を申請するものです。
平成23年1月29日
社団法人 埼玉県社会福祉士会
設立代表者
青 木 孝 志